ジイの独り言

2016年10月12日up

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じいのひとりごと

お父さんといっしょ

森の近くに住む私。
春夏秋の休日には、虫取り網を持った子どもとお父さん、お爺さんと孫といった感じの何とも微笑ましいコンビで歩く姿をよく見かける。子どもは男の子だったり女の子だったりだが お母さんとふたりは あまり見かけない。


チョウチョだ トンボだ といった絵本でよく知る昆虫がいつもいるとは限らない。そこでお父さんは 必死になって他の昆虫を探すことになる。「ほら 何かいるぞ!」子どもは走り寄るが そこにいるのは 絵本で見るような綺麗な蝶ではない。
走り寄った子どもは 一目見てUターン 取り網を引きずりながら広場を走り回る。「オイ 虫取りしないのか?」「網が壊れちゃうぞ!」子どもは 網を放り投げて なおも広場を走り回る。


子どもは 虫とりがしたかったのだろうか?
ただ外に出たかったのだろうか? 「お父さんと何処か行ったら?」ひとりお使いに行きたかったお母さんが そう言い残して出かけたのだろうか? 子どもは 何でもいいから とにかくお父さんと一緒に居たかったのだろうか? お父さんが 虫取りをしたかったのか? お父さんが 何でもいいから子どもと遊びたかったのか?


子どもの放り投げた虫取り網を拾い上げたお父さんが 広場を走る子どもを追いかける。
「おお〜〜い こら〜ぁ! まて〜〜!」
「危ないぞ〜! 転ぶぞ〜! まて〜〜〜!」
お父さんの声を背に 3・4歳だろうかの子どもは「キャッキャ」「キャッキャ」と大声を挙げ 足に絡まる草に何度も転びそうになりながら楽しそうに走り回る。
虫取りなんてもうどうでもよい ふ・た・り。


もうすぐ秋色になる森の広場。 ドングリが 足元ではじける。

著者プロフィール

すだジイ

独り言の主すだジイ

多彩な時代を生きてきた人生経験豊かなジイ。 そんなジイにだから見える景色がある。 忙しく日々を過ごす中で見落としがちな情景。 そこにはたくさんのストーリーがつまっている。 このコラムで綴るのは「街のスケッチ」。 それを通じて何かを感じていただければ幸いです。
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