ジイの独り言

2017年01月18日up

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じいのひとりごと

ダンスダンス

あれはどこだっただろうか? 車で走行中の出来ごとだった。
何時もよりすいていた道。前に何台か走っていて 車間を置いて私。CDから流れる曲に快適なドライブだった。
信号の無い横断歩道に ランドセルの子どもたちが立っているのが見えた。「私が通り過ぎれば 渡れるよ〜」と アクセルを踏んだ。ところが 突然 私の車に向かって手を挙げたのだ。まるで狙っていたかのように。バックミラーには車が無い。「なんで私なんだ? ちょっと待てば楽に横断できるのに」と思ったが ブレーキを踏んだ。


すると 5・6人の男の子たちが「わ〜〜い」とばかり両手をあげ飛び跳ねた。そして 横断歩道を渡りかけた。次の行動には 呆れた。彼らは 道路の真ん中で腰降りダンスを始めたのだ。「おいおい いい加減にしろよ」ちょっと怒り顔をして 人差指でそう伝えた。にもかかわらず 彼らは 跳ねあがり大声を上げ 一列になって尚も激しく踊りだした。後続の車を確認したが 見当たらない。「ま いっか〜」ハンドブレーキをかけ 両手を広げて「呆れたもんだ」とジェスチャーした。子どもたちは はちきれんばかりの笑顔。「いいよ観てやるよ 勝手にしやがれ」とシートに身体を深く預け 顔のあたりまであげた手を軽く振った。子どもたちは絶好調だった。
ひとしきり踊っていたが 急に踊りを辞め 集団は横断歩道を渡った。私の後に 車が近づいて来ていたのだ。「あんなにはしゃいでいたのに しっかり見てるんだ〜」と感心しながら 私はサイドブレーキを開放し ゆっくりと発進した。
横断歩道を渡り終わった男の子たちは 綺麗に横に並び 黄色の帽子を脱ぎ 私に向かって一礼したのだ。驚いた私だったが 空いた窓から出ていた手を振った。


「ありがとうございました〜〜!!」みんなの大声が聞こえた。バックミラーに いつまでも手を振る姿が見えた。
彼らは「手を挙げてどの車が止まるか?」ゲームをしていたに違いない。
気持のよいその日のこと あの笑顔集団を思い出す度 ニッカリする。

著者プロフィール

すだジイ

独り言の主すだジイ

多彩な時代を生きてきた人生経験豊かなジイ。 そんなジイにだから見える景色がある。 忙しく日々を過ごす中で見落としがちな情景。 そこにはたくさんのストーリーがつまっている。 このコラムで綴るのは「街のスケッチ」。 それを通じて何かを感じていただければ幸いです。
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