ジイの独り言

2017年02月12日up

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じいのひとりごと

ヴァレンタインデイか〜〜

去年のことだ。
コーヒーショップのカウンターの一つ置いた席に座ったご婦人
注文をするなり口を開いた。
「ヴァレンタインデイには参ったわ」
・・・ そんなに渡したい人が多かったのですか?
「そうじゃないのよ。娘なのよ」
「今時は 女の子の間でも交換するのよね」
・・・ ??
「小学校四年生の娘がいるんだけど その事で大変だったの」
・・ いいじゃないですか 何も女性から男性にって決まってるわけでもないし
「いえね それが複雑なのよ」
・・・ ???
「チョコを配らないとイジメの対象になるらしいのよ」
・・・
「『あの子はチョコをくれなかった。あの子は、私を友達と思ってないのよね』ってなるらしいのよ」
・・・ うっは〜 それはヤバイなぁ〜
「それでね『友達と思っていないんだから 友達付き合いしないでおこう』ってなっちゃうの・・・」
・・・ 友達か友達じゃないかをチョコで決めるんだ〜〜
「それだけじゃないのよ」
「そのチョコの交換で ○○グループ △△グループって仲良しグループが決まっちゃうのよ」
・・・ 派閥かぁ〜〜〜
「そうそう そうなのよ」
・・・ じゃあ 結局全員に配るわけ?
「それがね これまた大変なのよ」
「全員に配ったりすると『なによあの子 みんなにいい顔しちゃって〜〜!』ってなって あっちもこっちもに意地悪されちゃうのよ『あの子は信じられない子』のレッテルが貼られちゃうのよね」
・・・ 待てよ〜 じゃあどうするんだよ
「つまり しっかりグループを決めなきゃならないのよ」
「それで 家の子は悩んじゃって 半泣きだったのよ」
・・・ で どうしたの?
「私も悩んじゃって・・・。じゃあ 缶入りのチョコを買って『お母さんからみんなにどうぞ』って一人ひとりに渡さない方法を提案したんだけど・・・。本人はどうしたのか? どうなったか心配で・・・」


子ども社会は 子供同士でどんどん新たなルールを作っている。

子どもたちは早く白黒をハッキリしたいのだろうか?

グレートーンの中では我慢できないのだろうか?

仲間じゃない者は その全てが“敵”なのだろうか?

親の常識も通用しないルール。

・・・ 恐ろしくもある。


去年のヴァレンタインデイのその日

私は 出先の女の子に大きなリボンのかかった袋をもらった。

「ごめんなさい〜〜! 義理チョコよ〜〜!!」

「義理かよ〜〜 まあいいや ありがとう 義理って言われてもボクから何も期待できないよ」

(この年寄りに 本命などある訳がない)

「わかってま〜〜す! 期待していませ〜〜〜ン!」

そこまで言うかよ〜・・・って言いたかったが 茶目っ気たっぷりなその響きが嬉しかった。

大切に家に持ち帰り 開けてみてまた笑った。

きれいな大きなセロファンの袋の中には 細切りの紙のクッション(ボリューム付け)に小さな缶が埋もれていて ポツッと小さなチョコが入っていた。 引出しの中のゼムクリップ入れかホチキス針入れにでもしよう。

机の脇にある6段の引き出し 一番上の段に ルコウソウの種が入っている。あの子は どうしてるかな?

そして もう5年生になっている あの娘さんはどうしたのだろう?

著者プロフィール

すだジイ

独り言の主すだジイ

多彩な時代を生きてきた人生経験豊かなジイ。 そんなジイにだから見える景色がある。 忙しく日々を過ごす中で見落としがちな情景。 そこにはたくさんのストーリーがつまっている。 このコラムで綴るのは「街のスケッチ」。 それを通じて何かを感じていただければ幸いです。
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